高齢者死亡、コロナワクチンで8000人以上抑制か、2カ月で

 厚生労働省は9月8日の第51回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田隆字・国立感染症研究所長)で、65歳以上の高齢者へのワクチン接種で、7、8月の2カ月間で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数は10万人以上、死亡は8000人以上、それぞれ抑制した可能性があるとの推定を公表した。死亡者を堅めに見積もっても、3300人以上の抑制との推定だ(資料は、厚労省のホームページ)。

 アドバイザリーボード後、厚労省担当者は、「一定の仮定を置いた上での推定」と断りつつ、「ワクチン接種を進めたことで、高齢者の感染や死亡を抑えたことは大きな意味がある」と説明した。

 

(2021年9月8日厚労省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料)

 本推定は、ワクチン接種の効果を分かりやすく示すのが狙い。2021年1月1日から8月31日までのHER-SYSデータを用いて、6、7月に接種率が上がった65歳以上の高齢者の感染者と死亡者の数が、進んでいない65歳未満と同様に7、8月に変化したと仮定して推定、それを実数と比較した(ただし、8月の死亡者は実数ではなく、8月に陽性判明し、9月以降に死亡する可能性があるため、その点を加味した推計値を使用)。

 その結果、ワクチン接種により、65歳以上の感染者数は、7月は2万1099人、8月は8万6668人、計10万7767人抑制した可能性があると推定。

 65歳以上の死亡者数の抑制の推定は、2つのパターンで実施した。(1)1月から5月の致死率等を用いたモデルでは、7月は1623人、8月は6819人、計8442人抑制、(2)直近1カ月の致死率等を用いたモデルでは、7月は984人、8月は2397人、計3381人抑制――との推定だ。

 「致死率は、1月から5月と、6、7月にかけて下がってきている。致死率が下がる理由として、ワクチン接種による重症化予防効果のほか、治療法の進歩などもあるかもしれない」と厚労省は説明。(1)は1月から5月の致死率がそのまま7月まで継続したと仮定した場合、(2)は7月の致死率の減少はワクチン効果ではなく、他の要因が大きいと仮定した場合だ。

 第51回のアドバイザリーボードでは、ワクチン接種歴別の新規感染者数の最新データも提示。9月1日から3日の3日間で、人口10万人当たりの新規感染者数は、全年齢では未接種が59.9人、1回接種20.5人、2回接種4.5人だった。

(2021年9月8日厚労省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料)