今世紀中に長寿記録は130歳に達するとの予測

 人間は何歳まで生きられるのでしょうか。米ワシントン大学のMichael Pearce氏とAdrian Raftery氏による新たな研究で、今世紀中に130歳の誕生日を迎える人が現れる可能性があるとの予測結果が示されました。研究の詳細は、「Demographic Research」6月30日号に掲載されました。

 この数十年で100歳を超える人の数は着実に増えており、全世界で50万人近くにも達するといいます。人類史上最長寿とされるフランスのジャンヌ・カルマンさんは、1997年に死去した時点で122歳でした。現在の世界最高齢者は日本の田中カ子さんで、2021年7月現在で118歳です。専門家の間には、疾患と細胞の劣化があるため、人間の寿命には限界があるとする見解がある一方で、寿命に限界はないとする見方もあるそうです。

 Pearce氏は、「人間というものは、限界への挑戦に魅了されるものだ。月まで行けるのか挑戦してみたり、オリンピックで最速を競ったりするのと同じように、寿命の限界にも関心を持っている。今回、われわれは、今世紀中に人間が何歳まで生きられる可能性があるのかを知りたかった」と研究背景について説明しています。

 Pearce氏らは、ヨーロッパの10カ国にカナダ、日本、米国を加えた13カ国の110歳以上の人(スーパーセンテナリアン)を追跡しているデータベースInternational Database on Longevity(IDL)を基に、ベイズ統計を用いて、2100年までに人間がある年齢まで生きる確率を割り出しました。

 その結果、今世紀の間に、現在の122歳という最高齢記録が破られる確率は、ほぼ100%であることが明らかになりました。また、ある年齢まで生きる人が現れる確率は、124歳で99%、127歳で68%、130歳で13%と予測されましたが、135歳まで生きる人が現れる可能性はほぼないということも判明しました。

 Pearce氏らは、「このような結果が出たとはいえ、スーパーセンテナリアンは例外的な人たちだ。スーパーセンテナリアンの数が大幅に増加しない限り、現在の122歳という最高齢記録が破られる可能性が高まることはないだろう。もっとも、世界的に人口が増加し続けていることを考えると、それもあり得ないことではない」と述べています。

 ただしPearce氏らによると、人間は110歳に達した時点で、年齢にかかわらず死亡率は一定になるのだといいます。つまり、110歳の人と114歳の人が、もう1年生きる確率は同じということです。Raftery氏は、「スーパーセンテナリアンたちは、疾患などの人生におけるさまざまな危機を全て乗り越えた人であり、死亡原因も、より若い人たちとは異なっている。つまり、スーパーセンテナリアンというのは、非常に頑強な、ごく一部の選ばれた人たちなのだ」と説明しています。