Ⅳ.脳の病気-メカニズムと治療法 脳神経疾患① アルツハイマー病

アルツハイマー病は高齢者に多い神経変性疾患で65歳以上での有病率は1~3%とされています。主な症状は記憶障害で、障害は徐々に進行していきます。このブログを読まれている方はアルツハイマー病に興味のある方が多いと思いますのでこの当時の見識を記載していきます。

 

発症機序/症状

老年期に発症する認知症の原因疾患の代表で65歳以上の有病率は1~3%と言われています。多くは記憶障害から始まり、失語・失行・失認・実行機能の障害など、他の障害が加わっていき、最後には寝たきりになります。

 

病理所見の特徴は、アミロイドβという特殊なたんぱく質が大脳皮質に沈着して、老人斑と呼ばれる病態が出現することです。老人斑ができるとシナプスでの神経伝達が弱まると考えられています。また神経原線維の変性やアセチルコリン作動性ニューロンの明らかな脱落により、脳が委縮していきます。萎縮は海馬から始まり、側頭葉全体、頭頂葉へと広がります。

 

若い年齢での発症ほど進行経過は速く、旧来65歳以前の発症は若年性アルツハイマー病として区別されていました。しかし本質的な差異はないとして、現在は、発症年齢による区別はしていません。

 

検査/診断

認知症状の有無や程度は、各種の認知機能テストを行って判断します。検査法は医療機関によって異なりますが、一般的によく用いられているのは、下に掲げた長谷川式簡易知能評価スケールです。

 

 

補助診断としてCTやMRIなどの画像検査を行い、脳の萎縮状態などを確認します。またSPECTやPETで脳の血流や糖代謝を画像化する検査法もあります。

ニューロンの電気信号を直接測定する方法として、脳波検査があります。

 

 

現在は死後の病理組織検査以外の確定診断の方法がないのですが、近年アミロイドβの沈着をPETによって可視化するアミロイドイメージングが有力な診断方法になると期待されています。

 

治療/予後

なぜアミロイドβが蓄積するのかなどの原因が不明なため、基本的に治療する方法はありません。しかし進行を遅らせる薬があり、適切な介護やリハビリテーションを行うと同時に薬物療法を継続します。おもな治療薬はコリンエステラーゼ阻害薬のドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、NMDA受容体拮抗薬のメマンチンです。

 

アルツハイマー病では脳内のアセチルコリンが減っているが、コリンエステラーゼ阻害薬はアセチルコリンの分解を抑制するため、神経伝達能力の向上が期待できます。

 

NMDA受容体拮抗薬は、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA受容体の感受性を抑制し、グルタミン酸の過剰放出による機能異常を抑制します。

 

個人的な疑問があります。

アミロイドβってアルツハイマー病の原因なの?

②最近、薬物療法を否定する記事が多いが、薬物療法で効果ある人のことって書かないよね。

アルツハイマー病が多様な原因で発症する疾患と考えた場合、一律の治療でよいのか?

ってことです。

 

①は卵が先か、ニワトリが先かの問題でアミロイドβが原因ではなく、認知症の進展の結果物と考えてはどうなのかということ。事実ロッシュ社が実施したアミロイドβの沈着を阻害する薬が失敗したのはこれなんじゃないかと思ったりしてます。

 

②の問題も新聞は新薬の失敗を大々的に書くのが大好き。効いている人もいると思うんですよ。その声も汲み取らないと折角の治療の手札がなくなってしまう事態になりかねない。

 

③ですが、多因子疾患って考えると色々説明がつきやすいことがあるんですね。臨床治験でも広くアルツハイマー病で試験をすると結果が出ないが、エーザイ社のようにある症状に絞っての効果評価をすると有効性がでる。

て考えると色々治療方法は症状、病状でわける必要があるんじゃないかと思います。

 

糖尿病の患者さんに認知症が多いので認知症の患者さんに抗糖尿病薬を投与して効果が出るかの試験を海外で実施しましたが、有効性は認められなかったそうです。

高血糖認知症を起こすのではなく、認知症が起こった患者さんでは血糖値がコントロールできない人が多いってことで、国内でリコード法らしきことを個人でやっている人達が糖質制限をひとならびにやることはどうなのか疑問です。