Ⅲ.脳の高次機能と活動 ストレス反応のしくみ 睡眠周期とノンレム睡眠・レム睡眠の特徴

睡眠は脳が司る活動であると同時に、脳を休ませるための活動でもあります。眠りの深さなどによりレム睡眠、ノンレム睡眠の2種類に分けることができます。今日はこの辺を勉強しましょう。

 

睡眠の主たる機能は脳の疲労回復だとされています。通常の睡眠は、覚醒からノンレム睡眠に入り、レム睡眠とノンレム睡眠を3~5回繰り返してから覚醒します。

 

レム睡眠は、眼球の急速運動に伴う睡眠であることから、この名がついています。レム睡眠時は、脳への血流量は多く大脳皮質は賦活かされていますが、筋活動は低下します。脳幹と脊髄の運動神経核への抑制系入力増大と興奮性入力減少の作用が持続的に起こるため、急速眼球運動時はさらに筋活動が抑制されます。

 

レム睡眠時に起こすと、80%の人が夢を見ていたと答えます。ノンレム睡眠時ではその割合が低いことなどから、レム睡眠機構が夢発現の中心だと考えられています。

 

 

覚醒・安静時に検出されるα波の消失時点が入眠時点とされており、入眠するとノンレム睡眠パターンに入ります。

 

ノンレム睡眠は、急速眼球運動を伴わない睡眠で、とくに脳の疲労回復に大きな役割を果たすと考えられています。

 

ノンレム睡眠には、脳波を指標として4段階に分けられます。

ステージ1…α波が50%以上

ステージ2…睡眠紡錘波が出現

ステージ3…2Hz以下、75μ以下のθ波(シータ波)が20%以上

ステージ4…2Hz以下、50μ以上のθ波が50%以上

 

睡眠の程度は、ステージ1~4の順に深くなります。徐波睡眠と呼ばれるステージ3・4ではとくに眠りが深く、覚醒しにくい。

 

 

入眠後はまずノンレム睡眠に入り、その後レム睡眠に移行します。この切り替えに働くニューロン・モデルの条件は、ニューロン活動がレム睡眠時に特異的であること、レム睡眠時に持続的に活動すること、レム睡眠に先行して活動がはじまることです。

 

そのように働くニューロンを、レムオン・ニューロンといいます。ネコの実験などから、このニューロンは橋では背内側被蓋野(はいないそくひがいや)に、延髄では網様体の腹内側部と外側部に局在しています。

 

レム睡眠からノンレム睡眠へと移行する場合は、レムオフ・ニューロンが働きます。このニューロンは橋と延髄の全域に認められています。

 

一方、入眠や覚醒行動の発現には、ドパミンセロトニンなどさまざまな神経伝達物質が関与しているのはご承知のこと。

 

また、下図の通り、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスには年齢による変化も見られ、年をとるにしたがってノンレム睡眠の割合が高くなることも知られています。