コロナ予防接種でアセトアミノフェン、「処方すべき」が約半数

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種後には、発熱や関節痛、接種部位の痛みなどの副反応が出やすいとされています。m3.com(医療機関向け情報サイトの名前です)意識調査で、COVID-19ワクチン接種時に、必要に応じてアセトアミノフェンも処方すべきかどうか会員医師に尋ねたところ、調査に参加した1327人のうち約半数(48.8%)は「処方すべき」と回答しました。「処方すべきではない」は15.1%にとどまったが、「どちらとも言えない」とする慎重な回答をする割合も36.1%に上りました。自由回答を併せて紹介します。(まとめ・m3.com編集部)

【調査の概要】
  • 調査期間:2021年5月25日-31日
  • 対象:m3.com医師会員
  • 回答者総数:勤務医1016人、開業医311人
Q. COVID-19ワクチン接種時、必要に応じてアセトアミノフェンも処方すべきと思われますか?(単一選択)

 調査に参加した1327人に、COVID-19ワクチン接種時に、必要に応じてアセトアミノフェンも処方すべきかどうか尋ねたところ、「処方すべき」と回答したのは48.8%(648人)。一方、「処方すべきではない」は15.1%(200人)、「どちらとも言えない」は36.1%(479人)でした。

 COVID-19ワクチン接種時のアセトアミノフェン処方に対する考え方には、開業医と勤務医で差が見られた。勤務医では「処方すべき」(51.6%、524人)とする回答が最も多かったのに対し、開業医では「どちらとも言えない」とする回答(42.1%、131人)が最も多かった。一方、「処方すべきではない」とする回答割合には大きな差は見られませんでした。

Q. 「COVID-19ワクチン接種時、必要に応じてアセトアミノフェンも処方すべきと思われますか?」の設問で回答を選択した理由をお聞かせください。(自由回答)
「処方すべき」と回答した理由
  • かなりの確率で局所の痛みや頭痛を併発する。アセトアミノフェンを処方していても、副反応がつらくて休む人が多い【脳・神経科勤務医】
  • 特に2度目の接種では、発熱や倦怠感などの副反応が出ることが多い。多くはアセトアミノフェンで対処できる程度なので、処方しておく方が無用な混乱が起きないと思う【眼科開業医】
  • 体力の弱っている人には、2回目に高熱が出たときのために処方する【内科勤務医】
  • 接種翌日1回に限り副反応が強いときに服用できるように処方するのが良いと考える。発熱が持続するときは抗原テストを実施し、感染の有無を判定することは必要。37.5℃以上では勤務不可であり、病院運営に大きな支障が出る可能性あり【脳・神経科勤務医】
  • 医療が逼迫する中、医療従事者には勤務確保のためにも頓服として必要だと考える【内科開業医】
  • 消炎鎮痛剤を使用して抗体獲得が阻害されたというエビデンスがなく、現状では症状が著しい場合使用すべき。そうでなければ、全体の接種率へも影響がある【内科勤務医】
  • 一定の割合で発熱・疼痛の副反応が起こると分かっているため、希望があれば処方すべき【外科系開業医】
  • 既に投与しているが、屯用として処方しておくことは、患者心理からは安心、安全かと思う【外科系勤務医】
  • 疼痛や微熱の副反応などに対して予防的に内服して症状が軽減されたから【内科勤務医】
  • 発熱や痛みについて大きな心配はないことを説明していたとしても、当日の夜間帯から翌日にかけて、発熱や筋肉痛を主訴に救急外来を受診する方が一定数出てしまうと思うため。解熱鎮痛薬を内服して改善なければ受診してもらうよう説明しておいた方が良い。ワクチンの副反応を強く疑うにしても、発熱者に対しては一律コロナ疑い患者として対応する必要が出てくるため業務を圧迫しかねない【内科勤務医】
  • 特に2回目は高熱を出す方がかなりいるようなので、この時期に接種後の発熱が明らかな場合は、医療機関を受診するよりはまずは1日分くらいのアセトアミノフェンを処方することはそんなに悪いこととは思えない【外科系勤務医】
  • 倦怠感、微熱など軽微な症状で夜間に救急外来を受診する人が多い。軽症とはいえ発熱外来を受診していただくのでマンパワーがとられる【呼吸器科勤務医】
  • ワクチンの副反応が騒がれている今、ワクチン接種後、夜間に発熱した場合、救急外来に患者が押し寄せてパンクする可能性が高いと思う【内科勤務医】
  • 接種当日もしくは翌日になって発熱が見られることが多く、そのときになって医療機関を受診することは難しいと思う。あらかじめ処方しておくことが親切と思う【産婦人科開業医】
  • 年齢にもよるが高率に発熱、倦怠感が生じてその時点で薬剤を取りに行かせるには無理がある【内科開業医】
  • 自身の実体験として、2回目の接種後は倦怠感が強くつらかった。2回目接種後の救急外来受診例もあり、現場には負担になるため、あらかじめアセトアミノフェンを処方しておくことが望ましい【循環器科勤務医】
「処方すべきではない」と回答した理由
  • 発熱・疼痛などの症状出現時に、手持ちの解熱鎮痛剤があれば内服すればよいことを伝えておけば十分。一律に処方する必要はない【呼吸器科勤務医】
  • ワクチンを接種したからといって、必ずしも発熱や疼痛が出現するわけではないから【脳・神経科勤務医】
  • これから1億人くらいワクチン投与するのに処方するのは無理【呼吸器科勤務医】
  • 必ず発熱するというわけではないので、希望者にのみ処方すればよいし、家庭に持っていることも多い【外科系開業医】
  • ドラッグストアなどで購入をお勧めするのが良いのではないか【内科勤務医】
  • 高齢者には不要。若い人にも打つようになったら、2回目接種前にOTCを買っておくように勧める。多少の発熱は様子を見るように、と言わずに一般の若い人に打ったら、2回目接種後の発熱の相談で医療機関がパンクすると思う【脳・神経科勤務医】
  • 発熱あるいは疼痛を発症する程度は異なっており、発症した後に処方すべきと考える【内分泌・血液科開業医】
  • 多く見られる副反応がアセトアミノフェンで治るのであれば、症状が出たときに受診でよい。心配なら薬局で買えばよいと思う【内科勤務医】
  • ワクチン接種で発熱があることは抗体産生していることの現れだから、解熱するとその効果が減少すると考えられるから【外科系勤務医】
「どちらとも言えない」と回答した理由
  • 発熱があれば使用すれば良いと思う。飲まなくても数日で回復しますし、あえて必要とは思わない【呼吸器科勤務医】
  • 希望があれば処方しない理由はないが、最初から全員に処方するのは抵抗がある【外科系勤務医】
  • 症状の強い人には必要だと思うが、総じて高齢者は症状が軽い傾向があり、全てに必要とは限らない【外科系勤務医】
  • 必ずしも全ての患者さんが熱発するわけではないが、中には高熱を出す患者さんもいるので、一概には言えない【内科勤務医】
  • 発熱があるか分からないし、アセトアミノフェンの安全性も確実か不明だから【内科勤務医】
  • 不安を感じている人には処方しているが、症状が出てからでもよいと思っている【産婦人科開業医】
  • 副反応出現前に服用する可能性があるため、不要な内服を誘発する可能性がある【循環器科勤務医】
  • 処方(保険診療)ではなく、実費と思う。市販品で賄うべき【消化器科勤務医】
  • 自分で判断して購入してもらった方が無駄な処方をしなくて済むのではないか【外科系勤務医】
  • 患者の判断に任せる。一応、初期対応法は説明している。希望があれば処方する【内科開業医】
  • 接種を受ける人が希望される場合は、自費で処方してもよいと思う【循環器科開業医】