Ⅱ.神経系の構造と機能 脳神経のしくみと働き 脳神経の分布とおもな働き

眼や耳などの感覚器官でキャッチした情報は、脳幹へとつながる脳神経を経て、脳に伝えられます。脳からの指令もまた、脳神経を通じて伝えられます。

 

12対の脳神経は、頭側から尾側へと順に、それぞれの名称とともに、Ⅰ~Ⅻまでの番号がふられています。

 

Ⅰの嗅神経は嗅索に、Ⅱの視神経は間脳に出入りしますが、そのほかはすべて脳幹部に出入りし、脳幹内にはそれぞれの脳神経に対応する神経核が存在します。

 

神経核は、頭側から尾側にかけて、細胞の柱として連なっています。

 

脳神経はすべて、頭蓋底面にある孔から頭蓋外と連絡しています。

 

頭部には、眼や鼻、口など、頭頚部特有の機能をもつ器官が集中しています。脳神経のほとんどはこれらを司るため、頭蓋の外に出ると頭頚部に多く分泌します。

 

ただし、迷走神経は、胸部と腹部にも広く分布しています。

 

脳神経の役割はさまざまですが、機能面で分類すると、特殊感覚神経、体性運動神経、鰓弓神経(さいきゅうしんけい)の3つに分けることができます。

 

特殊感覚神経は嗅覚、視覚、聴覚、平衡覚という特別な感覚を伝えます。

 

これらの特殊感覚神経は、Ⅰの嗅神経、Ⅱの視神経、Ⅷの内耳神経であり、末梢から中枢へと向かう求心性神経です。

 

体性運動神経は、Ⅲの動眼神経、Ⅳの滑車神経、Ⅵの外転神経、Ⅻの舌下神経で、おもに顔面の筋肉に関わります。

 

残りの神経は鰓弓神経となります。鰓弓とは胎児期に存在する頸部の器官で、ここに由来する神経群です。多くは運動神経線維と感覚神経線維が混合します。この神経には、咀嚼筋、表情筋など、横紋筋という筋肉を支配する鰓弓運動線維、副交感神経のひとつである迷走神経を代表とする内臓神経線維、顔面の皮膚感覚を伝える三叉神経など体性と内臓感覚線維、顔面神経、舌咽神経、迷走神経に含まれる味覚線維があります。