脳の勉強会

Ⅳ.脳の病気-メカニズムと治療法 脳神経疾患② 脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞などの脳血管障害が原因で起こる認知症です。そのため治療では脳血管障害の再発予防が最重要視されます。今日はこの疾患について勉強しましょう。 発症機序/症状 脳血管の障害は脳循環不全などによって起こる、アルツハイマー病に…

Ⅳ.脳の病気-メカニズムと治療法 脳神経疾患① アルツハイマー病

アルツハイマー病は高齢者に多い神経変性疾患で65歳以上での有病率は1~3%とされています。主な症状は記憶障害で、障害は徐々に進行していきます。このブログを読まれている方はアルツハイマー病に興味のある方が多いと思いますのでこの当時の見識を記載し…

Ⅳ.脳の病気-メカニズムと治療法 脳の検査 脳の病気がわかるおもな検査(その2)

今日は前回に引き続いて脳の病気に関する検査について説明します。 ニューロンの電気信号を直接測定する方法として、脳波検査があります。 脳波の種類は周波数の高さによって分けられ、低いものから順に、δ波、θ波、α波、中間速波、β波、γ波、棘波、鋭波(速…

Ⅳ.脳の病気-メカニズムと治療法 脳の検査 脳の病気がわかるおもな検査

さて、新しいセッションです。 脳の病気のそれぞれの症状、治療法などを知る前にどのような検査で脳の機能や器質的変化を調べるのか、おもな検査を理解していきましょう。 脳の検査でとくに重要なのが、構造、器質的変化がわかる画像検査です。CT(コンピュ…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 睡眠のしくみ 睡眠による記憶・学習能力の向上

睡眠の役割は、疲れた脳や体を休めるだけではありません。最近の研究では、記憶の整理などのさまざまな活動が睡眠中に行われていることがわかっています。今日はこの辺を勉強しましょう。 近年の睡眠研究で最大の成果は「睡眠依存性の記憶向上」です。記憶・…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 睡眠のしくみ サーカディアン・リズムと睡眠-覚醒中枢

睡眠や覚醒のサイクルは、視床下部にある生体時計、視交叉上核が司っています。視交叉上核は光情報などにより、そのリズムを調整しています。今日はこの辺を勉強しましょう。 覚醒・睡眠などにより約1日のリズムをサーカディアン・リズム(該日リズム)とい…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 ストレス反応のしくみ 睡眠周期とノンレム睡眠・レム睡眠の特徴

睡眠は脳が司る活動であると同時に、脳を休ませるための活動でもあります。眠りの深さなどによりレム睡眠、ノンレム睡眠の2種類に分けることができます。今日はこの辺を勉強しましょう。 睡眠の主たる機能は脳の疲労回復だとされています。通常の睡眠は、覚…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 ストレス反応のしくみ ストレスが体や脳に与える影響

強いストレスを受け続けると、体にも脳にもさまざまな悪影響が出ます。強度のストレスにより心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症することもあります。今日はこの辺を勉強しましょう。 ストレスの応答反応が非常に強かったり、長い間応答が続いていると、身体…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 ストレス反応のしくみ ストレス反応が起こるメカニズム

ストレスとは、外部から恐怖刺激や嫌悪刺激を受けたときに生じる生理的反応です。その反応には、とくに視床下部が関与しています。今日はこの辺を勉強しましょう。 ストレスという言葉はもともと、構造物に対する物理的力をさしていて、これが生理学に応用さ…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 感情・思考のしくみ 思考・判断・意思決定のメカニズム

複雑な思考や判断、意思決定は、ヒトの脳の最高次の機能です。今なお未解明の部分が多いですが、現段階での最新の研究報告を見ていきましょう。 計画・推論・判断・意思決定など、ヒトで特異的に発達した高次の脳機能に前頭連合野が関連していることは、まず…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 感情・思考のしくみ 快情動・不快情動による行動の変化

喜びの表出や攻撃的行動といった、具体的な情動反応にはドパミン、セロトニンなどの神経伝達物質が深く関わっています。今日はその辺を勉強しましょう。 喜びや幸福感などの快情動反応のカギを握るのは、中隔に寄り掛かるように位置する側坐核です。たとえば…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 感情・思考のしくみ 情動の形成と表出のしくみ

感情は、怒りや恐怖のように一過性に起こる反応と主観的意識として生じる複雑な感情に大別されます。ここでは前者の、情動のしくみについて勉強しましょう。 情動とは、特定の状況で生み出される怒りや悲しみなどの、一過性の激しい心的反応を指しています。…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 学習のしくみ 記憶・学習機能の発達と変化

記憶や学習能力の高さは、一生通じて変化します。一般には加齢により能力が低下するとされていますが、その変化には、脳自体の器質的変化が関与しています。今日はこの辺を勉強しましょう。 ヒトの脳では、ニューロンの数が最大になるのは妊娠7週目です。そ…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 学習のしくみ 言語処理と言語産出のしくみ

ヒトならではの高次の学習機能のひとつに、言語の習得と操作があります。読む作業、聞く作業ともに複数の領域が協力しあい、複雑な作業を遂行しています。今日はこの辺を勉強しましょう。 脳の損傷により言語能力が損失することを失語症といいます。脳と言語…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 学習のしくみ 学習の種類としくみ

ヒトの学習機能は複雑で、いまだに不明な部分が多いのです。しかし、動物の研究を通じて、学習の種類やしくみ、そのプロセスのいくつかが解明されています。今日はこの辺を勉強しましょう。 経験によって神経系が変化し、それにより行動が変化することを、学…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 記憶のしくみ ワーキングメモリのしくみと働き

情報を一時的に保管し、複雑な情報処理をスムーズに行うための場所として「ワーキングメモリ」があります。その中心器官は前頭連合野と考えられています。今日はこの辺を勉強しましょう。 記憶と行動のシステムは、短期記憶や長期記憶だけでは説明がつかない…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 記憶のしくみ 記憶の保持と想起のしくみ

記憶力向上には、記憶が保たれる時間の時間の長さだけでなく記憶をいかにスムーズに取り出せるかも重要だ。その作業の効率化には、いくつかの方法がある。今日はこの辺を勉強しましょう。 記憶には海馬が重要な役割を果たすが、記憶を固定して保持しているわ…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 記憶のしくみ 海馬で記憶をつくるしくみ

脳内にはつねに無数の情報が入り、次々と消えていきます。しかし、とくに重要な情報は、ニューロン回路の変化によって、長時間保存することができます。今日はこの辺を勉強しましょう。 感覚器からの各種情報を記憶として保持するには、ニューロン間にただ伝…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 記憶のしくみ 記憶の保持と想起のしくみ

記憶力向上には、記憶が保たれる時間の時間の長さだけでなく記憶をいかにスムーズに取り出せるかも重要だ。その作業の効率化には、いくつかの方法がある。今日はこの辺を勉強しましょう。 記憶には海馬が重要な役割を果たすが、記憶を固定して保持しているわ…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 記憶のしくみ 海馬で記憶をつくるしくみ

脳内にはつねに無数の情報が入り、次々と消えていきます。しかし、とくに重要な情報は、ニューロン回路の変化によって、長時間保存することができます。今日はこの辺を勉強しましょう。 感覚器からの各種情報を記憶として保持するには、ニューロン間にただ伝…

Ⅲ.脳の高次機能と活動 記憶のしくみ 記憶の種類と脳内ネットワーク

記憶にはさまざまな種類があり、脳は行動の種類や物事の重要度に応じて各領域を働かせ、情報を保存・保管しています。今日はこの辺を勉強しましょう。 記憶とは、新しい事象を覚えて保持し、必要なときに引き出す(想起する)働きを言います。記憶にも多くの…

Ⅱ.神経系の構造と機能 特殊感覚を伝える神経の構造 味覚・嗅覚伝導路のしくみ

味細胞で感じる味覚、嗅細胞で感じる嗅覚は視覚や聴覚に比べると、処理が比較的単純です。いずれも脳幹経由で、大脳皮質の各領域に情報が届きます。今日はこの辺を勉強しましょう。 舌表面のざらざらして感覚は、乳頭と呼ばれる小さなつぶでその形状から茸状…

Ⅱ.神経系の構造と機能 特殊感覚を伝える神経の構造 平衡覚伝導路のしくみ

耳の機能は音情報を感知し、処理するだけではありません。体の傾きなどの変化をキャッチし、脳幹などに伝えて全身のバランスを調整する役割も果たしています。今日はこの辺を勉強しましょう。 内耳では、音だけではなく平衡覚も感知しています。平衡感覚には…

Ⅱ.神経系の構造と機能 特殊感覚を伝える神経の構造 聴覚伝導路のしくみ

聴覚情報は、空気の振動として感知されています。どの情報も外耳→中耳→内耳の順に奥へと送られ大脳皮質の聴覚で処理されています。今日はこの辺を勉強しましょう。 耳は、空気の振動として伝わる音を感知して、大脳皮質へと送る感覚器官です。 体外に突出し…

Ⅱ.神経系の構造と機能 特殊感覚を伝える神経の構造 視覚情報の伝導路と脳内の情報処理

目でとらえた視覚情報は、視床でいったん処理され大脳皮質に届けられます。届いた情報を分析し意味づけしているのは、大脳皮質の一次視覚野です。今日はこの辺を勉強しましょう。 視細胞が感受した視覚情報は、網膜内で二次ニューロンである双極神経細胞に伝…

Ⅱ.神経系の構造と機能 特殊感覚を伝える神経の構造 光や色の感知、ピント調整のしくみ

形や色、遠近感など、視覚情報の内容は多岐にわたり目の各器官がそれぞれに情報を処理しています。特に網膜の役割は大きく、その分構造も複雑です。今日はこの辺を勉強しましょう。 厚さ約0.2mmの網膜は、神経層と色素上皮で構成されます。 神経層の奥には、…

Ⅱ.神経系の構造と機能 特殊感覚を伝える神経の構造 特殊感覚の中心器官・目のしくみ

目、耳、鼻などでキャッチする感覚を、特殊感覚といいます。なかでもとくに膨大な情報を処理しているのが目でカメラ以上に複雑で、高度な働きを担っています。今日はこの辺を勉強しましょう。 視覚は、電磁エネルギーである光を感知し、外部情報を引き出す重…

Ⅱ.神経系の構造と機能 体性感覚を伝える神経の構造 温度覚、痛覚が伝わるしくみ

極端に熱いものにふれると強い痛みを感じるように温度と痛みの感覚は非常に密接しています。いずれも皮膚で感知され、脊髄視床路を経て脳へと伝えられます。今日はこの辺を勉強しましょう。 温度覚と痛覚を感知する神経細胞は、どちらも自由神経終末です。そ…

Ⅱ.神経系の構造と機能 体性感覚を伝える神経の構造 触圧覚、深部感覚が伝わるしくみ

体性感覚情報の伝導路には、後索-内側毛帯路と脊髄視床路の2つがあります。ここでは後索―内側毛帯路で触圧覚や深部感覚が伝わる仕組みを見ていきます。 体性感覚神経は、脳と内臓以外の全身にくまなく分布しており、さまざまな刺激を感知しています。なか…

Ⅱ.神経系の構造と機能 体性感覚を伝える神経の構造 体性感覚伝導路の仕組み

皮膚が感じる温度や痛み、圧力などの感覚、筋肉が伸び縮みしたり、関節が動く感覚などは体性感覚情報といい、脊髄内の経路で伝えられています。今日はこの辺を勉強しましょう。 物を見たりふれたり、音を聞いたり、匂いを完治するなど、ヒトは多様な感覚情報…