Ⅱ.神経系の構造と機能 脊髄神経のしくみと働き 脊髄の構造

神経系の全貌を理解するには脳と双璧をなす神経器官であります、脊髄について知らなくてはいけません。ここでは脊髄を構成する要素を詳しく見ていきます。

 

脊柱の椎骨と椎弓の間隙である脊柱管になかにある脊髄は長さ40~45cm、直径約1cmの円柱型をしています。

 

脊髄は、脳と同様に内側から軟膜、クモ膜、硬膜の3層の膜(髄膜)に覆われています。硬膜と椎骨の間には静脈叢や脂肪組織が存在しています。

 

脊髄の表面には溝があり、とくに深い前正中裂と後正中裂が脊髄を左右に分けています。溝が比較的浅い前外側溝(ぜんがいそくこう)と後外側溝(こうがいそくこう)は根糸と呼ばれる神経線維の束が出ていく場所です。前外側溝から出た根糸は、複数集まって前根(糸)になり、後外側溝から出た根糸は後根(糸)になります。後根は硬膜内で脊髄神経節というふくらみをつくり、その後、前根と合流して1本の脊髄神経となり、脊柱管を出て末梢器官へ向かいます。

 

 

脊髄にも、脳同様、灰白質と白質があります。脳と大きく異なるのは、内側に灰白質があり、外側に白質が存在する点です(脳は逆ですね)。

 

灰白質領域には機能が異なる区分があり、それぞれ前角、後角、側角と呼ばれています。前角にはおもに運動ニューロンが、後角にはおもに感覚ニューロンが、側角にはおもに自律神経が存在します。

 

白質領域は、上方の中枢に情報を伝達する上行性線維と、下方へと伝導鶴する下行性線維の通り道です。上行性線維は感覚性で脊髄の後角から始まり、後索を通って延髄の核に向かう経路と、前側索を通って視床に向かう経路があります。下行性線維は運動性で、大脳皮質から側索を通って脊髄の前角に達する経路があります。

 

脊髄は、高さによって太い箇所と細い箇所があり、灰白質と白質の分布も異なっています。頸髄と腰髄のとくに膨らんだ部分は頸膨大(けいぼうだい)、腰膨大(ようぼうだい)と呼ばれ、上肢と下肢関連の複雑な情報処理を行っています。